東京都港区青山にて、建物オーナー様よりご依頼いただき、1階店舗前の外壁タイル張り替え工事を施工しました。
既存の二丁掛けタイルによる白い外壁と円柱が建物の外観をつくっていましたが、経年により各所でタイルの剥がれ・剥落が発生していました。
今回は1階に飲食店が新規オープンするタイミングに合わせて、店舗前を中心に外壁タイルを張り替えています。
青山という街で、新しい店舗を迎える建物の入口。
ただ新しくするのではなく、既存建物が持つ意匠を残しながら、安全性と外観を整えることを考えたタイル改修です。


外壁タイルの剥落をきっかけに張り替えを検討
今回、オーナー様からご相談いただいた大きな理由は、既存の二丁掛けタイルが各所で剥がれ落ちていたことでした。
外壁タイルは、表面だけを見ると問題がないように見えても、タイル裏側の接着状態が低下している場合があります。
特に店舗前のように人が日常的に通る場所では、外壁タイルの剥落は美観だけの問題ではありません。
そのため今回は、単純に剥がれた数枚を補修するのではなく、対象範囲のタイルをすべて撤去し、新しく張り直す施工を行いました。
外壁改修では、「きれいに見えるように直す」のではなく、検査を行い今後剥がれの恐れがあるものすべてを張り替えること。
なぜ剥がれたのかを考えることが重要です。

円柱の意匠を活かした二丁掛けタイル施工
今回の建物を特徴づけているのが円柱です。
平面の壁とは異なり、円柱へのタイル施工では曲面に沿って一枚ずつタイルを配置していくため、目地の通りやタイルの出入りが仕上がりの印象に大きく関わります。
既存建物の雰囲気を大きく変えてしまうのではなく、これまでの建築意匠を受け継ぎながら、新しい店舗にもつながる外観へ整える。
新築とは違い、既存建築のタイル改修だからこそ求められる仕事だと考えています。

既存の表情を残すため「押さえ目地」で仕上げる
今回の施工でもう一つ特徴的だったのが、押さえ目地です。
既存の外壁が押さえ目地で仕上げられていたため、張り替え部分だけが不自然に見えないよう、今回も既存の表情に合わせて押さえ目地で施工しました。
今回の施工では、タイルを張り付けた際にはみ出した張付け材を一度切り取ります。
その後、改めて目地材を充填して拭き上げ、乾き具合を確認しながら、タイル厚のおよそ半分の位置で目地を切り落として押さえることで、既存の押さえ目地に近い表情へ仕上げました。
ただ同じ色のタイルを張るだけではなく、既存建物がどのような納まりでつくられているのかを読み取り、それに合わせて施工方法を考える。
これも改修工事では重要な部分です。


昔の施工から考えた「手仕事」の意味
今回、押さえ目地について先輩職人に話を聞く機会がありました。
聞いた話では、数十年前の建設現場ではタイル工事も非常に忙しく、工期も厳しかったため、タイルを張ったモルタルを利用して、そのまま目地を押さえて仕上げる施工も多かったそうです。
本来の押さえ目地では、タイルの厚みを考えて張付けモルタルを適切な厚さに塗り、タイルを張ったときに出てきたモルタルを切り、目地を押さえて仕上げます。
つまり、張付けモルタルを均一な厚さで塗る技術が必要になります。
一方で、工期や施工効率を優先するあまり、張付けモルタルを必要以上に薄くしてしまえば、十分な接着状態を確保できない可能性があります。
今回の建物の剥落原因をそれだったと断定することではありません。
ただ、既存タイルを撤去し、昔の施工を実際に見ながら改めて感じたことは
効率を求めることと、必要な工程まで省くことは違う。
完成した瞬間だけを見れば、どちらも同じようにタイルが張られているように見えるかもしれません。
しかし、タイル工事の品質は、その場では見えなくなる部分にこそ表れると思っています。
完成すると見えない仕事が、数十年後に表れる
張付け材をどの程度塗るのか。
タイル裏面にどれだけ接着させるのか。
下地をどうつくるのか。
目地をどう仕上げるのか。
一つひとつは、完成するとほとんど見えなくなります。
だからこそ、疎かにしようと思えばできてしまう部分でもあります。
しかし、建物は完成した日だけ使われるものではありません。
5年、10年、その先まで使われていきます。
今回の改修工事で古いタイルを撤去したからこそ、数十年前の職人の仕事と、現在の自分たちの仕事が同じ場所でつながっていることを改めて感じました。
「早く張る」「きれいに張る」だけではなく、必要な工程を守り、長く残せる施工をする。
玉寄タイルとして、これからも手仕事に責任と誇りを持ってタイルを張っていきたいと思います。
店舗のオープンは、建物を見直すタイミングでもあります
今回のように、テナントへの新規出店や店舗リニューアルは、建物の外観を見直す一つのタイミングでもあります。
店舗内装を新しくしても、来店される方が最初に目にするのは建物の外観や入口です。
特に青山のように店舗やオフィスが多いエリアでは、外壁やエントランスも店舗の印象につながります。
既存建築の良さをすべて新しくして消してしまう必要はありません。
残す部分は残す。
直すべき部分は、原因や既存の納まりを確認して直す。
そして新しくなる店舗と既存建築を自然につなげる。
タイル改修によって、安全性を確保するだけでなく、建物が本来持っている魅力をもう一度引き出す。
それも、玉寄タイルが考える「空間価値を高める工事」の一つです。

タイル工事をご検討の方へ
玉寄タイルでは、東京都・埼玉県を中心に、店舗・テナントビル・マンション・オフィス・住宅・商業施設などの内装・外装のタイル工事を行っています。
新築住宅の玄関や外構、
店舗・商業施設の内装、マンションのエントランスをはじめ、
既存建物のタイルの張替えや外壁改修まで対応しております。
建物オーナー様、不動産会社様はもちろん、
設計事務所様、デザイナー様、工務店・建築会社様からの新築案件のご相談にも対応しています。
「設計に合わせてタイルの納まりを相談したい」
「大判タイルやデザインタイルを施工できる業者を探している」
「図面段階から割り付けや施工方法を相談したい」
「既存建物の意匠を活かしながらタイルを改修したい」
このような段階からご相談ください。
玉寄タイルが大切にしているのは、ただタイルを張ることではなく、その建物や空間に何が求められているのかを考えて施工すること。
新築では、設計意図を汲み取り、割り付け・目地・出隅・他素材との見切りなど細部まで考えて空間を仕上げる。
リフォーム・改修では、既存の状態や納まりを確認し、残すものと直すものを判断しながら次につなげる。
新築もリフォーム改修も。
設計の意図を施工で形にし、タイルで建物と空間の価値を高める。
玉寄タイルの考えるタイル工事です。
| 場所 | 東京都港区青山 |
|---|---|
| 使用タイル | 杉浦製陶 SN-1140S |
| 施工面積 | 約38㎡ |
| 工期 | 14日 |
玉寄タイルは埼玉県川口市を拠点に、東京都内・埼玉県内のタイル工事に対応しています。
東京都、埼玉県での店舗タイル工事、マンションリノベーション・住宅の内装外装タイル・エントランス・玄関タイル・在来浴室など
施工場所や用途に合わせてご提案しています。
